テレビの特定集中報道が酷い原因はインターネットにある
2016年の舛添都知事辞任問題以降、テレビの特定集中報道がどんどん酷くなっているという指摘。日大アメフト部は3〜4局がそれぞれ毎日5〜6時間もやってたとか。なんだそりゃ。/テレビは特定の話題に集中しすぎていないか?データで示す「集中砲火傾向」(境治) https://t.co/2UG18P25eo pic.twitter.com/u2Gjw3I1F7
— 佐々木俊尚 (@sasakitoshinao) August 20, 2018
このテレビの集中攻撃は局によっても異常で、
最近はフジテレビの昼が酷い。日大のアメフトやボクシング協会の会長問題を延々と取り上げ、報道なのか、特定企業いじめなのか、個人攻撃なのか、理解不能な状態になっていた。
テレビの視聴率の稼ぎ方がより安直になっている。
その原因を私自身はネットメディアの台頭が既存メディアへの圧力になっていると考えている。
そのネットメディアの台頭は広告費とは無縁で無い。
その背後を私自身の見解に基づいて書いてみる。
※ここにもグーグルの広告を貼らせてもらっている事は前もって述べておく。
テレビの劣化の背後にあるもの

問題はより大きい。
テレビの劣化よりも、その背後だ。
テレビを皆が見なくなったのはテレビの広告収益が下がったからだ。
スマホ型社会に移行した事も無視できない。
人々はテレビ以外の娯楽や情報を得る事が可能になった。
そして、もっと大きな原因はグーグルが世界最大の広告代理店になった事がある。
グーグルは2018年第二四半期の収益の有料クリックが58%増になっている。
・グーグル 総収益、3兆6300億円 前年同期比26%増
・広告収益:3兆1200億円!
グーグルの収益のなんと86%が広告収益になる。
そう、グーグルは世界最大の広告代理店になった。その広告費がネット業界に流れている事が既存モデルが壊れている原因だ。
Google の収益、「モバイル検索」が牽引:有料クリックは58%増 https://t.co/1Pb5AmNTyq
— DIGIDAY[日本版] (@DIGIDAYJAPAN) August 2, 2018
広告費の低下による資金枯渇でタレントの画一化、テーマの画一化、ニュースの画一化が起きた
テレビは秒単位で、テーマをコントロールするメディアだった。
しかし目まぐるしく変わるテーマに視聴者はついていけなくなった。
そして個性的で社会的に叩ける存在を叩く事になっていった。
その人間の過去を掘りまくりより悪者らしい存在を出来るだけ引っ張り視聴率を稼ぐ。ただ、それもテレビの広告収益が下がった事で起きたと言える。
そして視聴率を稼げる便利なタレントを多用するようになっていった。
坂上忍氏とかはその代表になるだろう。
人間は優越感の動物
テレビがよくやることに出来るだけ馬鹿に見えるタレントを使い、
視聴者に優越感を与える事がある。自分はあそこまで馬鹿では無いという優越感だ。
悪者を作り出すことも同様である。
悪者を作り出し集団リンチする事で満足感を提供している。
それは「自分は正しい」と思う人間の優越感をくすぐっている。
自分は正しいと思うとドーパミンでも出るのだろう。
人間は快感を得る。
広告費低下はまともなテレビ番組制作を難しくした。そもそもテレビ業界程、胡散臭い業界も又無い。ハイエナのように食い物に群がり食い散らかし去っていく。
タレント事務所とつるみ、考えてみれば興行業界だ。裏世界との繋がりも色々ある筈だ。忖度し放題だし、馴れ合いだらけだし、固定経費も巨大だ。
そんな連中が人々の注目すると思えばあっという間に群がり、大騒ぎし、さも自分達は正義のような顔をして、相手を叩きまくる。
なんだかよく分からない。
それだけ大きな利権を持っているテレビ業界の広告収益が落ちるという事は影響も巨大になる。
もっと予算を使えれば、人を叩くような事に時間を使わずにすむだろう。それは利権に生きてきた人々の想像力欠如も影響しているのかもしれない。そもそも日本のメディアには、そんな人々しか人材が居ないのかもしれない。
大きな志も無いのだろう。電車の中吊りの異常さと同様の異常さがテレビにもある。もしくはそれを求める側の問題なのかもしれない。
人の不幸は蜜の味という最も人間の醜い側面だ。
ただ民法がこうなったのはインターネットだと確信する。
(良い悪いは別)
ネットコンテンツの広告収益化が、テレビの広告収益衰退が起きた大きな原因だ。だからグーグルの広告収益の伸びが関係する。
ネットは過去ホームページを見るための道具だった。
それはまだ数年前までそうだった。しかし、今、ネットはホームページを見るためのものだけでは完全に無くなった。
この事はまだ一般的にはまだ理解されずらいが現実で有る。
グーグルは世界中のメディア(コンテンツ)制作者に対し、広告収益を分配する事でメディア制圧に成功した。大手のネットメディアでグーグルの広告を使っていないところはほぼ無い。(アダルトや違法すれすれコンテンツは別)
若者はテレビを見るよりもユーチューブを見る。
(以前はニコ生が流行っていたようだが今は徐々に減っているようだ)
ユーチューブの作り手は収益を得るためにコンテンツを作る。人々が検索するキーワードを狙ってコンテンツを作る。
それらの全てが収益を得る為で有り、この事がインターネットの世界を大きく変え社会を大きく変えてしまった。
従来日本のテレビ局はネット融合の実験を様々にしていたが、そのほとんどが失敗した。
しかし、グーグルは収益化を武器に、世界中のコンテンツを制圧し、一般人をタレント化する事さえ成功した。それは勿論ありがたい事でもある。
そしてユーチューバーという専業の人間たちを生み出した。それは4年ほど前からで有る。ユーチューブで食える人間が出始めた。
中にはモンスターのようなユーチューバーも出現している。
その収益はタレントなど無意味になるほどの収益化を生み出している。
逆にテレビは出来るだけ便利で使いやすく安いタレントを使い、注目されるテーマを引っ張るようになっていった。
広告原資はネットに大きく流れ込んだ事でメディアが大きく変わった。
上記のグーグルの有料広告収益が58%上昇した意味がわかるだろうか。58%の収益上昇というのがどれだけ凄まじいものか。
ユーチューブのプラットフォームがどれだけ変わったかご存知だろうか。
誰でもビデオを制作してアップロード出来る。
誰でもマイクとカメラがあればライブ放送も出来る。
音を入れたり、映像の簡易編集も可能だ。それらはクラウド上で完結する。パソコンは必要でもソフトを使わなくてもアップロードと公開も出来る
しかもテレビとも融合し始めた。
人々はスマホで個人的に見たいものを見るようになった。
家族で同一の番組を見ることもなくなりつつある。
それらがテレビを過激により単一化し攻撃するような番組を作らせるようになった少なくとも大きな原因になったと思う。
年寄りで受け身の人々に対し、悪者を叩き人々に快感のような偽善をふりまいている。
人間は多面性の動物で有る。
人の心には昔のディズニーのマンガのように天使も悪魔も存在する。それは貴方にも私も存在するだろう。
もし、舛添元東京都知事や、日大ラグビー部や、ボクシング協会の会長の視聴率が良いという事であればそれは日本人そのものが病的になっている事の現れでもある。それは日本の成長が終わり衰退に向かっている事の現象かもしれない。
人間は自分が悪いとは認めたくない動物だ。
敵を作り、相手が悪いとする事で自分を防御する。
私達は一体正しいのか? では私達の一体何が正しいのか?
私達は一体何者なのだ?
テレビの広告収益が落ちていく以上、テレビはより単純化せざるを得なくなる。そのうちテレビは通販番組しかなくなるかもしれない。今、世界中で弱肉強食化がひどくなっている。GAFA(グーグル・アマゾン・フェイスブック・アップル)は世界市場を変質させている。
これは私達がこんな世界は駄目だと大声を上げ変えようと思わない限り変わらない。それは貴方一人でも私一人でも出来ない。
大きな力を声を日本人が上げないと無理だが、ここまで多様化と世代間断絶が進むとそれすらも無理だろう。
これら事がテレビが特定のスケープゴートを作り、叩く構造に結びついていると考えている。舛添元都知事、ラグビーの監督、日大、ボクシング協会会長、皆、たとえ問題があったにせよ、なぜあれだけ長期間の間、特定の人物を叩くのか。(ただその本質は昔からのフォーカスやフライデーといったゴシップ雑誌と同根。人の不幸は蜜の味という人間の性向にターゲットを当てている。)
モリカケにも通じる問題とも受け取れる。
メディアが自分たちの事は棚に上げ、他人には精錬潔癖を求め叩く姿勢は、
それの方が視聴率が穫れるという側面と、番組制作費が安くつくという両側面があると考えている。
その状況を作り出したのがインターネットメディアの台頭と、ネット広告の伸長という原因があると考えている為の表題になった。
私が言いたいのはこれは始まりでしか過ぎないという事
今後あらゆる産業でテレビと同様な事が起きるだろう。
最近本屋の本の数が少ない。
とか
CDの店が無いとか。
アマゾンが本気で日本でコンビニをやりだしたらどうなるだろう。
セブン-イレブンは店舗日本一と言っていられるだろうか。
勿論店員は居ない。
物流をアマゾンが制したらどうする。
勿論、ドライバーは居ない。
あらゆる日本の既存型ビジネスが壊れていくかもしれない。
グーグルのAIは、貴方が何者かを完全に把握する。
貴方の行動パターン。好み、収入、消費、ほぼあなた自身を分析出来る。
クラウド化が何を起こしているかご存知だろうか?
スマホのバックアップは全てクラウドにある。
貴方はクラウドに全データがある意味がわかるだろうか。。。。
問題はテレビだけでは無くなる事
問題はこのインターネットの変化がどの分野にどう影響するかだ。
インターネットというよりもコンピューティングの分野だ。
今後あらゆるジャンルのビジネスが外資により崩壊する可能性が有る。
日本の中小企業がどこまで生き延びられるのか。
ITの仕事の分野もグーグルは壊し始めている。
今、ウェブページを持ってももはや集客できずに閉鎖する人々も増えているからだ。
今後、SSLが必須になったり、レスポンシブになっていった時に、
果たして事業者はそれらの投資を行うだろうか。
ホームページからの集客も難しくなった
そしてグーグルは検索のルールを突然変更する。
その影響も大きい。
もう検索の結果を外部の人間がコントロールする事はほぼ難しくなった。
するとホームページを見られるようにするには、大きな投資が必要になり、
収益性の低い事業者はほぼホームページからの集客が困難になり始めている。
そしてグーグルは地域情報も無料発信出来るようにし、
またグーグルの広告を得る仕組みをの検索の中に組み込んだ。
こうなると従来ウェブサイトを作っていたデザイナーとかの仕事も無くなる可能性が高い。
しかしツイッターやフェイスブックやグーグルローカルを利用しても、
情報を発信し続けないとならない。そこまで時間的、技術的コストを掛けられる事業者しか残れなくなっていくかもしれない。
しかもグーグルのビジネスローカルはクチコミが公開されるようになっており、ネガティブ情報も表に出だすようになる。
同業他社による嫌がらせや、その日その時起きた何かの事が起き、書き込まれた内容を消すことは難しくなる。
すると事業者は聖人君子のような人間でしか働けなくなるかもしれない。
人間がそういう存在であれば良いが、人間性は益々崩壊し始めているのにだ。
インターネットはより自由で人々を豊かにする道具として生まれたが、現段階では全く違う方向へ向かっている
まだ今後のネットがどうなるかはわからない。
実業への影響も未知数だ。
結局人はものづくりに回帰するのかもしれない。
バーチャルな世界はなにやら雲行きが怪しくなっている。
テレビが壊れ始めている事は、その始まりに過ぎないと考えている。
※後述 きちんとした分析記事を書かずにツイッターにアップしたために
おしかりの言葉を頂きました。
大変申し訳ございませんでした。
このご意見を参考にさせていただけた事に御礼申し上げます。
どうもご意見ありがとうございました。
今後も精進を重ねて参りたいと思います。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません